瓶泥舎びいどろ・ぎやまん・ガラス美術館|愛媛県松山市。和ガラスの展示、企画展。

日本初特別展
宙吹きびいどろの名品が勢ぞろい-吹きガラスに宿る日本美  平成24年4月1日(日)~10月1日(月)


江戸時代のガラスの原点である「宙吹き(ちゅうぶき)びいどろ」は、技法のシンプルさ故に際立つ美しい形と色が特徴です。形はひとつとして同じものはなく柔らかな曲線を描き、息を吹き込んだ瞬間に生み出された偶然の美ともいえます。また、諸外国のガラスにはない日本独自の色は、穏やかでぬくもりと優しさに溢れています。鶴首・瓢(ひさご)形・かぶら形と様々な意匠の徳利や、光によって独特のマーブル模様が玉虫色に変化する練上手(ねりあげで)の作品などが並びます。

 

  • 練上手技法で作られた徳利。赤・青・黄・緑と、それぞれの発色が鮮明なため色の変化に富み、中を覗き込むと、深紅一色のグラデーションとなっている。徳利越しに向こうが透けて見えるほどガラスの透明度が高い。

  • 朝顔の花とそれに巻きつく弦に見立てた杯は、注がれた酒を飲み干さないと置けない作りになっている。形の整ったカップに、伸びやかに吹かれた管。夏の宴にふさわしい涼やかさだ。


初公開
珠玉のビーズ細工-華麗なる江戸期の装飾美-  平成24年10月6日(土)~平成25年4月1日(月)


古代~中世のビーズは宗教的意味合いが強く、寺社仏閣での神秘性を強調するために使用されていました。江戸時代に入ると、限られた階級の人々の間で、華やかさを演出する装飾性の高い工芸品としてビーズ細工は愛でられます。単体では小さな可愛らしい玉ですが、連ねることで様々な文様を描き、完成品の大きさに際限もなく無限の広がりを秘めています。江戸期のガラスビーズ細工は、屏風や台子や段重などの多様な道具を装飾することで、より魅力的な至高の工芸品へと昇華させています。

 

  • 金地の硯箱の表面を装飾する、色とりどりのビーズは非常に小さく繊細で、直径2㎜に満たない。 蓋を開けると、黒漆、朱漆、金蒔絵で山水人物図が描かれている。

  • たわわに実った果実をガラスいっぱいに美味しそうに描写した皿。江戸のガラス問屋 加賀屋の引札にもよく似た細工の器が掲載されているが、形や絵にすぐれ、引札のものより優品である。

prev  next