瓶泥舎びいどろ・ぎやまん・ガラス美術館|愛媛県松山市。和ガラスの展示、企画展。

春夏季特別展
明治大正ガラス名品展 日本のガラスモダンアート  平成25年4月7日(日)~10月6日(日)


江戸時代の「びいどろ・ぎやまん」と呼ばれた和ガラスから、近代的な明治大正時代のモダンなガラスへと華開いた過程を、初公開の名品を揃えてご覧にいれたユニークで華やかな展覧会。透明ガラスの外側に赤色ガラスを被せ、日本独特のぼかし技法を用いて鱗や鰭(ひれ)を巧妙にカットし、見事に鯛を表現した「切子赤色鯛形皿」は、優れたカット技法、赤の発色の美しさ、ガラス質の良さによる、まさに明治大正ガラスを代表する名品です。

 

  • ふっくらとした形の堂々たる蓋物。乳白ガラスに青色ガラスを重ね、優美でやわらかな色を表現している。全体の波のような模様は、「かきあげ紋」と呼ばれる。これほど大きく美しい蓋物は類例がない。

  • 畳の上にじかに置いて使われた座敷ランプは、行灯や燭台のスタイルを取り入れ明治期に作られた。伝統ある根来塗の台座と淡い色調のガラスの笠が、不思議な調和を見せている。


秋冬季特別展
型吹きガラスの美 ― 江戸の粋・びいどろの意匠と紋様  平成25年10月10日(木)~平成26年4月6日(日)


型吹きガラスとは、紋様を付けた土型、金型などにガラスを吹き込むもの。型に制約され不自由で窮屈と思われますが、大らかで美しい作品が多く、動物、植物など自然をモチーフにした鉢や段重、型跡の美しい素朴な向付など、お洒落で日本情緒あふれる感覚がうかがえます。また、型により揃いの皿や蓋物などを量産することで、数物の美しさや組み物の魅力を実感することができます。江戸時代の型吹きガラスは、日本独特の美の頂点に位置するものといえるでしょう。

 

  • 三つの割型にガラス種を吹き込んで形成された徳利一対。紫色のガラスの中から盛り上がった浮紋の牡丹が可愛く、型吹きガラスだけが表現できる美しさに満ちている。

  • 割型の内側にガラス種を落とし、風船を膨らませるように「ふーっ」と一気に吹き込み瓜形に形成する。職人の息づかいが聞こえてくるような、ふくよかで曲線の美しい蓋物である。

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